北海道科学大学工学部情報工学科 松﨑研究室

警笛音に対するエゾシカの反応検証実験

2015年度に実施した、動物よけ警笛 ES-101株式会社アバ提供)音に対するエゾシカの反応検証実験の一部について紹介します。実験の詳細につきましては2015年度北海道科学大学卒業論文「動物避け警笛の音響特性の測定と動物への影響に関する研究」をご覧ください。本実験について十勝毎日新聞に紹介いただきました。

警笛音 非貫通 1日目(2015年12月21日)

実験1日目の動物避け警笛の非貫通型の音を録音したものです。手前の2頭とその後ろにいる1頭、さらにその奥で採食中だった1頭の計雌4頭が音に反応し、注目という警戒行動がみられます。

複合音 非貫通 2日目(2015年12月22日)

実験2日目の自作した複合音の非貫通型の音を流したものです。一番手前の1頭が注目、奥の2頭が静止の警戒行動をとっていると思われます。

断続音 貫通 2日目(2015年12月22日)

実験2日目の自作した断続音の貫通型の音を流したものです。一番手前にいるのが雄で、音にはあまり反応がみられず休息していると思われますが音に対して耳を立てている様子が伺えます。座っている雌2頭も休息していると思われますが、耳が音に対して動いているのではないかと思われます。立っている雌2頭には注目の警戒行動がみられます。動画の終わりにエゾシカが左側をみますが、ドアが開いたことに反応したものです。

複合音 非貫通 5日目(2016年1月18日)

実験2日目と同じ複合音の非貫通型の音を流したものです。手前にいる群れから離れている雌1頭だけが注目の警戒行動をみせました。奥には残り4頭の姿が見え、皆休息しているようでありますが、音に対して耳を動かしているエゾシカもみられます。群れていることでの安心感や実験に対して慣れてしまっているのか、2日目の実験よりも反応が薄いように見えます。

断続音 非貫通 5日目(2016年1月18日)

上記の音と同じ日の断続音の非貫通型の音を流したものです。皆座っている状態で休息していると思われますが、音に対してスピーカをみた雌が1頭と音を聞いた後静止している雌が1頭いると思われます。その他のエゾシカも耳を動かす様子がみられ、連続音より反応を示しやすいと思われます。

可聴音 非貫通 6日目(2016年1月19日)

実験6日目の自作した可聴音の非貫通型の音を流したものです。音がなったと同時に雌2頭が頭をあげるので静止の行動をとったとみなしました。しかし、その行動の持続性があまりなく、すぐ採食行動など通常行動に戻ってしまいました。